柳野隆生 > PATENT THINKING > No.003
No.003 知的財産と知的資産についての考察
いま第三次金融戦争といわれるほど、未だ表面だって現れてきていない金融危機が、世界に更にじわじわと押し寄せている。 サブプライムローン破綻というアメリカ発の時限爆弾が、住宅バブルの崩壊をトリガーとして世界中で大爆発を起こしたのはその一部に過ぎない。クレジットカード、新興国への与信、外国為替デリバティブ等を合算すると、世界中で膨らんでいるバブルは$200兆を越えるといわれている。2007年の世界103カ国のGDP約$52兆((財)国際貿易投資研究所)と比較すると、このバブルがいかにとてつもない数字であるか思い知らされる。さらには、日本ではあまりニュースに上らないユーロ圏だが、与信がGDPと同程度あるいは上回っている国もある。企業でいえば債務超過だ。我国でも産業界はいうに及ばず、一般社会にも特に昨年後半以降、深刻な影響が出ているのはあらためていうまでもない。
何故、この原子爆弾を投下した直接・間接の人々を非難しないのか?
実際の資金取引のないところで金融のデリバティブが次々と高度に開発された。倒産した米国の某金融系企業のCEOの倒産前の年俸は40〜50億円といわれている。実直に働いてきたものにとっては、マネーゲームに翻弄され実体のない架空の怪物に経済が押しつぶされた不条理な感がぬぐいきれない。労働価値説を改めて見直すべきではないだろうか。
さて、この厳しい状況下で、企業も人々もぎりぎりまでコストや出費をおさえ受身の姿勢で嵐が去るのをじっと耐え忍ぼうとしている。どこまで体力が持続するかはわからないが…。
だが、シュリンクしている企業ばかりではないだろう。危機的状況は真剣度を見分ける試金石だととらえたい。1929年に始まった米国の大恐慌の中、デュポン社は逆に研究開発への投資を行った。人件費も原材料費も安価に利用できるという利点があった。その結果、合成ゴムの発見につながり大きなビジネスにつながった。
いま私は「B to B」ということを提唱している。不況期は経営を見直す絶好のチャンスともいえる。Back to Basicつまり経営の原点、企業のよってたつミッション、スキル、企業や個々人の「知」の棚卸しを行い、あらためて基本に立ち返って真剣度を確認するのである。強み・弱みを把握しまさに選択と集中で、生産性、収益性の低い事業をスクラップし、経営資源を強みに集中投下する。ありきたりのことだが、大恐慌時代の経済学者シュンペーターは「キャッシュと知を保有する企業にのみ大きなチャンスが与えられる。」と述べている。
いま第三次金融戦争といわれるほど、未だ表面だって現れてきていない金融危機が、世界に更にじわじわと押し寄せている。 サブプライムローン破綻というアメリカ発の時限爆弾が、住宅バブルの崩壊をトリガーとして世界中で大爆発を起こしたのはその一部に過ぎない。クレジットカード、新興国への与信、外国為替デリバティブ等を合算すると、世界中で膨らんでいるバブルは$200兆を越えるといわれている。2007年の世界103カ国のGDP約$52兆((財)国際貿易投資研究所)と比較すると、このバブルがいかにとてつもない数字であるか思い知らされる。さらには、日本ではあまりニュースに上らないユーロ圏だが、与信がGDPと同程度あるいは上回っている国もある。企業でいえば債務超過だ。我国でも産業界はいうに及ばず、一般社会にも特に昨年後半以降、深刻な影響が出ているのはあらためていうまでもない。
何故、この原子爆弾を投下した直接・間接の人々を非難しないのか?
実際の資金取引のないところで金融のデリバティブが次々と高度に開発された。倒産した米国の某金融系企業のCEOの倒産前の年俸は40〜50億円といわれている。実直に働いてきたものにとっては、マネーゲームに翻弄され実体のない架空の怪物に経済が押しつぶされた不条理な感がぬぐいきれない。労働価値説を改めて見直すべきではないだろうか。
さて、この厳しい状況下で、企業も人々もぎりぎりまでコストや出費をおさえ受身の姿勢で嵐が去るのをじっと耐え忍ぼうとしている。どこまで体力が持続するかはわからないが…。
だが、シュリンクしている企業ばかりではないだろう。危機的状況は真剣度を見分ける試金石だととらえたい。1929年に始まった米国の大恐慌の中、デュポン社は逆に研究開発への投資を行った。人件費も原材料費も安価に利用できるという利点があった。その結果、合成ゴムの発見につながり大きなビジネスにつながった。
いま私は「B to B」ということを提唱している。不況期は経営を見直す絶好のチャンスともいえる。Back to Basicつまり経営の原点、企業のよってたつミッション、スキル、企業や個々人の「知」の棚卸しを行い、あらためて基本に立ち返って真剣度を確認するのである。強み・弱みを把握しまさに選択と集中で、生産性、収益性の低い事業をスクラップし、経営資源を強みに集中投下する。ありきたりのことだが、大恐慌時代の経済学者シュンペーターは「キャッシュと知を保有する企業にのみ大きなチャンスが与えられる。」と述べている。