柳野国際特許事務所

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知的財産法 Q&A

特許・実用新案・意匠の選択関連等

Q1.特許と実用新案のどちらで出願したら良いでしょうか?


A.以下の点を考慮して判断してください。
 ともに技術的思想を保護するものである点は同じですが、実用新案の場合は、「物品の形状、構造又は組合せに係る」考案という条件があります。したがって、物品の製造方法、薬品、食品、コンピュータプログラムなどは特許でしか保護されません。
 一番大きな違いは、実用新案は実体的な審査を経ずに登録がなされるため早期に登録される反面、法的安定性が低いこと、 瑕疵ある権利の濫用防止のため権利行使上の一定の制約 (実用新案技術評価書の提示等)を受けること、存続期間が短いこと(出願日から10年)が挙げられます。また、諸費用は一般的には実用新案の方が低廉です。実体的な審査を行わない新実用新案制度導入(平成6年)以降、実用新案登録出願が激減していたことから、 実用新案制度の魅力を向上に向けての法改正がされています。


Q2.特許、実用新案、意匠の保護範囲は?

A.以下のように定められます。

 特許、実用新案の保護範囲は請求の範囲の記載に基いて定められます。
 意匠の保護範囲は、願書の記載及び図面に記載された意匠に基いて定められます。


Q3.特許出願、実用新案登録出願、意匠登録出願の得失は?

A.意匠の場合は、新しい商品の最終形態をデザイン面から保護することことができます。

 よって、権利にはなりやすいのですが、物品の外観自体であるため、技術的思想である特許・実用新案の場合と比べて権利範囲が狭いといった欠点があります。特許や実用新案の場合は、新しい商品の新しい部分を技術的思想としてとらえることができるため、意匠の場合に比べて、権利範囲が広いといった利点はありますが、 高度な技術でないと権利になりにくいといった欠点があります。また、意匠登録出願の場合、特許出願に比べて早期に権利化されるといった利点もあります。


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