柳野国際特許事務所

事務所について





Q1.クレームとは?

A.特許請求の範囲(claims)又は請求項(a claim)のことをいいます。



Q2.発明のカテゴリーとは?

A.日本の特許法上では、「物の発明」、「方法の発明」、「物を生産する方法の発明」があります。
なお、「物」には、プログラム等(特許法第2条第4項に定義あり。)も含まれます。



Q3.利用発明とは?

A.他人の特許発明(例えば、α+β)を利用する発明(例えば、α+β+γ)です。 自己の特許発明であっても他人の先願特許発明を利用する発明である場合は、自己の特許発明を実施すると他人の先願特許発明に係る特許権の侵害となります。他人の特許発明の技術的範囲に含まれる実施となるからです。 なお、他人の登録実用新案、登録意匠若しくはこれに類似する意匠との間にも利用関係があります(特許法第72条)



Q4.後願利用発明の特許権者・専用実施権者又は先願意匠権若しくは商標権と抵触する特許権の特許権者・専用実施権者が実施をするためにはどうすればよいですか?

A.
(1)利用関係(抵触関係)にある先願の特許権者若しくは専用実施権者、実用新案権者若しくは専用実施権者、意匠権者若しくは専用実施権者、又は、商標権者若しくは専用使用権者と通常実施権(通常使用権)の許諾交渉を行う、 (2)当該特許権者等と権利の譲渡交渉を行う
(3)無効理由があれば無効審判を請求する
(4)商標権に対しては取消理由があれば商標登録の取消審判を請求する

ことが考えられます。 なお、通常実施権の許諾についての協議が不成立の場合でも、特許庁長官の裁定を請求することにより、裁定実施権が得られる可能性があります。だたし、商標権との間には出所混同防止の観点から裁定制度はありません。なお、裁定は制度としては存在しますが、和解又は取り下げ等により裁定まで至ったケースは今のところ存在しません(裁定制度があるから実施許諾契約がまとまる等の効果があります)。



Q5.用途発明とは?

A.
(1)基本的には、既知物質について新たな用途を発見した場合が用途発明です。

 しかし、用途発明は必ずしも既知物質に限らず新規物質についてもあり得ます。例えば、新規な化合物又は新規な組成物の場合、出願に当たって、物質クレームが維持できなくなった場合を考慮し、用途クレームを立てるべきといわれています。

(2)用途発明と組成物の発明の境界は不明確であるといわれていますが、両者は本質的に別のものであるから、新しい成分の組合せをもつ組成物を作り出し、有用性の要件を満たしていれば、特許されるべきであるとされています。

しかし、前述のとおり用途クレームを立てるべきです。



Q6.選択発明とは?

A.構成要素のうちの全部又は一部が総括的概念(上位概念)で構成されている先行発明に対し、その上位概念に包含される概念(下位概念)であって、先行発明記載の明細書等に具体的に示されていないものを構成要素として選択したものに相当する発明をいいます。