海外での特許・実用新案・意匠のとり方・注意点
以前は、権利取得が必要な国に対して、直接出願するしか方法がありませんでした。しかも、同じ内容の出願がある場合には先に出願した方が優先します(先願主義)ので1日でも早く出願する必要があり、手続面・費用面でかなりの負担がありました。
しかし、次のような制度を活用することで、海外出願がかなり便利になってきています。
パリ条約の優先権主張制度
パリ条約の加盟国(現在約170カ国)の相互間では、最初の出願から特許と実用新案では1年以内に意匠では6月以内に他の同盟国に出願した場合は、最初の出願日の利益を受けられるという制度です。
この制度の活用により、取り敢えず1カ国(通常は日本)で出願しておけば、その日(基礎出願日)から1年又は6月以内に他の同盟国に出願すればよく、時間的な余裕ができます。
PCT出願=国際出願
パリ条約の優先権主張制度では、海外出願に関して基礎出願日から1年間の猶予期間が得られますが、PCT出願では更に長く基礎出願から2年半の猶予期間が得られます。ただしパリ条約の優先権主張と異なり、PCT出願自体に約50万円の費用が発生しますし、実際に特許権を得るためにはPCT出願の後に、特許権が必要な国に実際の出願手続を取る必要があります。
海外出願出願の手続き
原則として弊所に来所していただき、特許(発明)・実用新案(考案)・意匠(創作)の内容を弊所担当者に説明して頂きます。
その際に、どの国での権利取得が必要か(製造国、販売国など)、また、どのルートで手続を行うのが適切か(直接出願、パリ条約優先権主張、PCT出願)などについて、ビジネスの状況等も勘案して相談をさせて頂き、出願の具体的アドバイスをさせて頂きます。
海外出願の具体的な流れは以下のとおりです。