保護対象
実用新案法では、保護対象を「物品の形状、構造又は組合せに係る考案」に限定しています。 したがいまして、物品の製造方法、薬品、食品、コンピュータによる処理方法などは特許でしか保護されませんので、特許出願をする必要があります。
無審査制度
早期登録の観点から、方式審査及び基礎的要件の審査のみを行い、新規性・進歩性等の実体的審査を行わない無審査主義を採用しています。
また、設定登録料を出願と同時に納付しますので、通常、出願から4〜6ヶ月程度で登録されます。
実用新案権
上記のとおり早期に登録されて実用新案権が早期に発生し、この実用新案権は特許権と同様に侵害者の侵害行為(製造・販売等)を差し止めたり、その行為により損害を受けた場合には損害賠償することができますが、実体的な審査を経ずに登録がなされるため法的安定性は特許権よりも低いです。
また、上記のとおり実体的審査がされずに登録されますので、瑕疵ある権利の濫用防止のため権利行使上の一定の制約(実用新案技術評価書の提示等)を受けます。 さらに、存続期間は特許権よりも短期です(出願日から10年、特許権は20年)。
費用
出願時の費用(明細書等の作成費用も含む。)は特許出願と同等ですが、実体的審査を行わないため出願審査請求費用がかからないこと(特許出願で権利化を図る場合は、出願審査請求費用(約20万円程度)と特許庁からのアクションに対する応答費用等が必要。)や、登録後の年金納付等も含め一般的に実用新案の方が低廉です。