意匠出願完了後の意匠の見直しについて
平成18年意匠法改正により、出願後であっても、意匠出願人の保護を強化するための手続きが種々可能となっています。よって、意匠の出願後、例えば出願から3月経過頃に既に出願した意匠の見直しを行い、新たな出願の検討することをお勧めします。
1. 例えば、意匠出願後にデザイン変更が行われている場合、出願した意匠の意匠公報が発行される前であれば、デザイン変更後の意匠が類似関係にある意匠であっても、関連意匠として出願することができます。
2. 例えば、意匠出願後、予想以上に商品の販売が好調であり、更に他社の参入を阻止を強化したい場合、意匠登録されて意匠公報が発行される前であれば、既に出願した意匠の部分意匠、部品の意匠の出願も行うことができます。
3. 例えば、意匠出願後に意匠の商品化の時期が延びた場合、登録料の納付時であれば、意匠の内容が意匠公報に掲載されないように秘密意匠の請求を行うことができます。
4. 日本だけではなく海外にも出願する必要が生じた場合、日本の出願日から6ヶ月以内であれば、日本の出願を基礎としてパリ優先権を主張し、一定の国に意匠登録出願をすることができます。日本出願と海外出願との間に行われた行為によっては、不利な取り扱いを受けることはありません。
トピックス
平成27年にハーグ協定のジュネーブ改正協定に加入しました。
一度の出願で、締約国の複数国への一括出願が可能となります。(平成27年5月13日から利用可能の予定です。)
詳しくは、特許庁のページ「ハーグ協定のジュネーブ改正協定の概要」を参考にしてください。
平成18年に意匠法が大幅に改正され、意匠登録出願人や意匠権者の保護が強化されました。
1.意匠権の存続期間の延長
登録日から20年に延長されました。
2.意匠の定義の見直し(画面デザインの保護の拡充)
画面デザインについても部分意匠として保護されるようになりました。
3.意匠の類似の範囲の明確化
需要者の視覚による美感に基づいて判断されることが明確にされました。
4.部分意匠等の保護の見直し
先願意匠の一部と同一又は類似である後願意匠の意匠法第3条の2の適用については、先願の意匠公報の発行の前日までに同一出願人が出願した場合には、登録を受けられることとなりました。
5.関連意匠制度の見直し
本意匠の公報発行の前日までの間に出願された関連意匠の登録が認めることとなりました。
6.秘密意匠制度の見直し
秘密意匠の請求ができる時期について、従来の出願と同時に行う場合に加え、第一年分の登録料の納付と同時に行う場合も認められることとなりました。
7.新規性喪失の例外の適用規定の見直し
新規性喪失の例外適用の受けるために必要な証明書類の提出期限が、出願の日から30日以内に延長されました。